さて、一般的な注意点はこのくらいにして、以下では具体的に、剃髪・丸刈り志望者がどういう戦略で就職活動をしていくのがいいのか、簡単に提案をしてみようと思います。
ただし、私は就活コンサルタントでもありませんし、自身が就職活動をしたのももう20年前、のちにいう就職氷河期のことだったので、イマドキの就活事情をきちんと肌で理解しているわけではありません。その点はあらかじめご承知おきください。
目 次
パターン1:男性の場合
パターン2:女性で、就職後に割と長め(15mm〜)の丸刈り希望の場合
パターン3:女性で、就職後に「剃髪」または「1〜2mm以下の丸刈り」希望の場合
★パターン1:男性の場合★
男性の場合、就職後も剃髪・丸刈りというスタイルをずっと続けたければいうまでもなく、最初の会社説明会の時点(あるいは、その前にインターンシップに行く人はその時点)からありのままの姿で面接に臨むべきです。もちろん、フツーの没個性な髪型の人に比べれば第一印象では多少不利にはなりますが、それでもあえて坊主頭を全面に押し通して、貴男の実力や内面を正当に評価してくれる会社に出会えるまでベスト・マッチを模索しつづけるべきだとワタクシは考えます。
そもそも、髪型だけで簡単に人を門前払いするような会社の中では、ロクでもない「周りの空気」を忖度することが会社生活の至上命題になっているはずです。そんなところにいったん入ってしまったが最後、人生のうちの10年や20年くらいは簡単に棒に振ってしまいます。
逆に、剃髪・丸刈りのままで面接に挑めば、面接官の側も「坊主頭は一般論として不利になることは多々あっても、有利になることは今のところ少ない」ということを重々承知していますから、それでもあえてその頭で挑んでくる気概のある人なんだな、というアピールになります。もちろん、貴男が坊主頭を選択している理由を訊かれたら、それはきちんと説明できるようにしておく必要があります。そこが面接のキモになります。
それに、本当に人を見抜く力量のある有能な人事官であれば、「剃髪・丸刈りで押し通してくる人は、実は没個性な人より有能」という逆説的な見方を持っている可能性すらあります。というのは、堂々と剃髪・丸刈りを続けているかたは皆さん、見た目の不利を承知で、それでも自分はこの姿で自分らしさを貫きつつ、他人様に不快感を与えてはいけないというマナーとも両立させるんだ、という気概のもとに人生を歩んでいらっしゃるからです。それをきちんと見抜いてくれる人がいるなんて、これほどうれしいことはないじゃないですか!
さて、弊社サイトでも何度か紹介している事例ですが、こういう成功例をご紹介しておこうと考えています:
2件ともBA(ベストアンサー)は同じかたです。時期が2012年とやや古いのですが、2019年現在でもまだまだ通用すると言って差し支えないと考えます。
★パターン2:女性で、就職後に割と長め(15mm〜)の丸刈り希望の場合★
そういう人の場合、今の長さのままで就職活動に挑んで、それで大歓迎と言ってくれる企業だけにターゲットを絞っても十分に勝算がありそうです(ただし、名門企業の事務職、といった高望みをしてしまうと話は別です)。逆に、特に差し迫った理由が見当たらないのに髪の長さだけで門前払いするような会社は、社内全体において「お世間さま」に忖度することが至上命題になっている、あるいは社長を含めて全社的にセクハラが横行している、のではと警戒しておいたほうが無難です。
そして、この長さをご希望の場合は実は、職場によっては「露骨に短い丸刈りでなければ、問題ない」ということも多いのです。面接の際には「短すぎるようなら、もう少しだけ伸ばします。でも極力短いほうがいいです」と伝えておくといいでしょう。
この戦術で行く場合の具体的なヘアスタイルの例としては、まずはInstagramのハッシュタグ「#坊主女子」で写真をさがしてみて、これなら女らしさを損なってはいないな、と思えるものを丹念に探してみてください。もちろん、このタグで見つかる写真に多々見られるような、派手なカラーリングに挑戦するのは少々慎重を期したほうがいいでしょう。もちろん、そういう丸刈り系のスタイルの他にもシンプルなスポーツ刈りとか、いわゆる「おしゃれ坊主」とかでもあっさりOKが出たりすることがあります。どのくらいならOKなのか、じっくり交渉するつもりで就職活動をしてみてください。
▼注意:坊主女子・超短髪女子さんのリクルートスーツについて
女性の新卒就職活動には黒のスーツがつきものですが、坊主女子・超短髪女子の場合は必ず「パンツスーツ」か「黒のスカートに黒タイツ」にしましょう。というのも、「坊主・超短髪+ヒザ丈のタイトスカート+その下は肌色を露出」という組み合わせは往々にして、「男が下手な女装をしている」といった奇妙なイメージになってしまうのです。
(詳しくは後日、【坊主女子・坊主男子とオシャレ】で書きます。)
もちろん、昔から「就職活動でパンツスーツは不利」という意見もありますし(→Google検索「就職活動 パンツスーツ」)、一昔前には「パンツスーツは失礼だ」という言説すら平然とまかり通っていましたが(今から考えれば完全にセクハラですよね!)、タイツも一部の老害どもから下品だと言われそうですが、【私が思う「就職活動のあるべき姿」#安直なアドバイスに騙されるな】で書いた通り、企業に合わせて自分のほうを変えるのは根本的に間違いなので、パンツスーツなり黒タイツなりで問題なしと言ってくれる企業だけにターゲットを絞りましょう。
★パターン3:女性で、就職後に「剃髪」または「1〜2mm以下の丸刈り」希望の場合★
あえてこのパターンを選ぶ、つまり最も高いハードルを乗り越えようとする場合には、最初に出す履歴書の写真はキッチリと完全に剃髪したものにしましょう。その写真を見て門前払いするか、それとも面接に呼んでくれるか、まず企業側に踏み絵を踏ませるわけです。
ぶじ書類選考に通ったら、そのあとの面接は、とりあえず無難なウィッグを着用してで行くといいでしょう。場の雰囲気は一応わきまえていますよ、というアピールとしてです。
そうすると、剃髪姿の写真が貼ってある理由を必ず訊かれるはずなので(たとえば実家が寺なのかとか、何か病気を抱えているのかとか)、そういう疑問ははっきり否定した上で、包み隠さずに堂々と本音を伝えておきましょう。
その上で、この姿での勤務OKなら素頭のままいきたいが、もしダメなら勤務中だけウィッグ着用で対応させてほしい、と宣言しましょう。
それにそもそも、このレベルの坊主頭での就職希望ということは、今まで何年もずっと坊主女子を続けてきていて、その快適さも、あるいは逆にまだまだ冷たい世間の視線のやり過ごし方も既に知り尽くしてしまっているはずです。そして、それを踏まえて「もう一生このままがいい」という覚悟も決まっているはずです。だとすれば、地毛をノンケ女性のレベルまで伸ばし直すという選択肢はもはや考えられないはずです。「まず面接官に好印象をもってほしいから」という悪魔の誘いに乗って安易に妥協してしまうのは絶対に禁物です。
とはいえ、現時点(2019年時点)において坊主女子という生き方が世間からどう見られているのかを考えると、現状では「24時間ノーウィッグの素頭で」というレベルまでハードルを上げてしまうのは難しいと思います。お付き合いで冠婚葬祭の場に出ていく場合も、結婚式などの慶事であれば「坊主の素頭のまま、そういう場面での男性のドレスコードに適合する身だしなみで参列する」ということが一応できますが、仏事だとさすがにそういうわけにもいきません。なので、「必要ならウィッグはちゃんと使います」というアピールはまだまだ避けては通れないかなと思います。
とはいえ、「剃髪あるいは1-2mm以下」という長さにそれほど強いこだわりがなければ、15mmくらいに伸ばして上記の「パターン2」の方針に切り替える、という手もあります。その場合は、年に何度かの長期休暇(年末年始、ゴールデンウィーク、8月のお盆など)の時にだけバッサリと短くさせてもらう、というのが、悪くない妥協点になるでしょう。
以上、まとめてみました。2019年のゴールデンウィーク時点で、既に就職活動は終わったという声もちらほらと聞こえてくるのですが、それは人気のある有名企業だけの話。まだまだこれからが就職活動の本番という人も多数いるはずですので、ご参考になれば幸いです。
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