Q0010.
もう長いこと剃髪(いわゆるスキンヘッド)を続けており、一生ツルツルの頭をキープしよう、という堅い決意が固まっています。でも、頭髪を剃るのはけっこう面倒ですし、カミソリの替刃の購入費用もバカになりません。
そこで、思い切って頭髪の永久脱毛をしたいのですが、どの方法なら可能ですか?脱毛完了までの総費用はどのくらいを見ておけばいいですか?
A0010.
(2020.06.24追記)
【追記】海外の一部のサロンでは、実際に施術してもらえるようです。
(2021.03.01追記)
こんなサイトもあります。参考にしてください。
- スキンヘッドの永久脱毛|レーザー脱毛・光脱毛・除毛クリームで頭髪の脱毛は可能?値段からケア方法まで解説 - イケてる薄毛のためのスタイルメディア「NOHAIRS」
まとめると、次の4点になります:
- 技術的には、医療レーザー脱毛で可能。
- 実際には、どこでも断られる。
- 医師自身が自分の頭を永久脱毛してしまった事例は存在するが、その医師に依頼するのは無理と考えたほうがよい。
- 実際にやるには覚悟が必要。
●技術的には可能
まず、技術的には医療レーザー脱毛で十分に可能です(針など、他の方法では無茶です)。もし本当にやってくれるとしたら、費用は数百万円以上と思われます。これについては、一通り説明したあとでまた振り返ろうと思います。
●実際はどこでも断られる
でも残念ながら実際上は、引き受けてくれる医師はまず見当たらないでしょう。頭部にある大量の毛根を強力なレーザーで一気に焼き切る、という行為には高度な医療知識を必要とし、当然それなりのリスクも伴うからです。
美容クリニック大手・メンズリゼのサイトにはこういう記述があります。
Q レーザー脱毛できない場所はありますか?
A 毛髪・眉下・まぶたは照射不可となっております。レーザー照射が出来ない部分は、毛髪・眉下・まぶたとなっておりまして、その部分以外は基本的には施術が可能です。
毛髪は、『額を広くしたい』や『うなじの形を変えたい』など、髪の毛の照射をご希望される方が稀にいらっしゃいます。髪の毛はご照射自体は可能ですが、強く反応し過ぎてしまい、照射後に炎症が強く出たり、色素沈着になってしまう場合がありますので、ご照射はお控えいただいております。
眉下やまぶたは失明をする恐れがあるため、レーザー照射できません。
その他照射範囲に関してましては、一度カウンセリング時にドクターもしくはスタッフとの相談の上決めていただけます。
とはいえ、「ご照射自体は可能ですが、強く反応し過ぎてしまい、(中略)ので、ご照射はお控えいただいております。」とのことですので、額やうなじについては実際に脱毛を引き受けてくれたという声がネット上にちらほらと見受けられます。たとえば、Yahoo!知恵袋に「髪の毛を5回ほどレーザー脱毛しておでこを広げましたが、少し広げすぎたかと後悔しています。」という質問があります。
●唯一の候補は色々やらかして逮捕・実刑
そして残念なことに、頭髪の脱毛を引き受けてくれそうな唯一の医師が様々な容疑で逮捕・起訴され、2017年にはなんと1審で実刑判決が下りてしまいました。控訴したようですが、2019年2月現在、2審判決が出たという報道はまだありません。しかしながらこの人の場合、単純に「罪を犯した」というのではなく「医師として職務上知りえた個人情報を大量に悪用した」ということですし、1審では検察側の求刑6年に対して、判決は温情コミでその半分の3年ですから、2審で実刑が覆る見込みは薄いと思いますし、医師免許永久剥奪となる可能性も高いでしょう(→Wikipedia「医道審議会」)。
まず、Googleでの検索結果がこちら:
- 清水光明 医師 - Google検索
※同姓同名の別人がいるので「医師」というキーワードを追加しています。
そうすると、当時の新聞報道がいくつか見つかります:
- 患者名義の身分証で、自分の交通違反のがれ…交通反則切符偽造の疑いで京都の心療内科医師を逮捕 - 産経WEST
- 京都の42歳医師、患者名義悪用常態化か 旅券不正取得容疑で再逮捕 他人名義の通帳も70点 - 産経WEST
- 患者になりすまし交通違反逃れの医師に実刑判決 京都地裁 - 産経WEST
- 患者情報悪用:医師に懲役3年 京都地裁 - 毎日新聞
●実際に清水医師は何をやったか
その逮捕の数年前の2013年の春から秋にかけて上記の清水医師が実際に自身の頭髪を永久脱毛してしまった経過が、途中までですがアーカイブサイトに残っていました:
この人の場合、精神科の重症患者でもめったに使わない、もしムシャクシャして過量服薬しようものなら命に関わる、そういう非常に強力な薬も自身で実際に飲んで試していたそうですから、その意味でも極度にクレイジーな医師だということがはっきり分かります。
その後、脱毛完了までの経過がつい最近まで(少なくとも2018年夏前までは)下記のサイトに掲載されていたのですが、今は消失しています。清水医師が持っていた shimizu.md
というドメインも、2018.09.20に期限切れになりました。
今から考えてみると、逮捕されたあとでクリニックのトップページを消している(→2016.04.21付でのトップページのアーカイブ)ので、ほかのページについても「いずれは消える」と考えて魚拓を確保しておくべきだったのでした。
Googleなどにも当時のページのキャッシュは残っていないのですが、かろうじて確保できた画像ファイルから文章を書き起こしておきます。
(画像1枚目)25 4初旬
毎日スキンヘッドにしていると毎週一個の替え刃が必要になります。残りの人生で300万円弱もすることに気づいた瞬間、お金以外の時間も考えたら、これは永久脱毛やっとくやろ、と一念発起。ただし、やり始めたら途中でやめたらやばいから、覚悟した。ただし、試し照射は髯以上に痛かった。けど、いままで生きてきて精神的に一番つらかった時間をおもいだしたら、体の痛みとか全く比較にならないくらい楽勝だった。だって一瞬、一時の施術だけだもん。毎回終わると、毛が抜けるのでテンションあがる。
ただし今年は日焼けは厳禁だ なー25 5/25
T時ハゲ になった
やっぱりはげやすいところから脱毛できる
2回目施術時には毛が明らかに減っているので、痛みも減っている
頭髪や髯は、濃くて、太くて、密集しているから痛い
ワキとかは痛くない
五月にはもうワキや陰毛はすでに無毛
(画像2枚目)25 8/3
頭頂の毛がなくなった カッパ
やっぱりハゲやすいところから脱毛できるのね
もう残りの毛は時間待ちで抜けていくはず
ここからは施術したいけど、ぐっと我慢25年 8/18
そろそろ自分で鏡を見てもどこを撃ったら良いのかわからないくらいになている 。3面強 で見たら、うしろがのこってる!きたない!
熱傷跡は皮膚のターンオーバーが必要で、肉ちゃんと食べる人で1〜2ヶ月。タンパク質少ない人は治りにくいですよ
(画像3枚目)25年8月末日、前面ほぼ完成
後頭部は自分で上手にできないから今後女医さんにやってもらう予定
たぶん11月ごろまで待つとまばらに数本は生えてくる、しかし、そんなのは既にきにならない、なぜなら産毛、白髪ははえてくるので逆に週1回は軽く剃るから。1分で終わる。永久脱毛やって良かったと感動!
毛の事は気にしていたらきりがないから、日常生活を普通に過ごすべき。日常的に毛ばかり見て過ごすような、気にし過ぎの人がいますよ
とにかく無駄な毛は、なくなるとテンションあがりますよー
ちなみに首から下はこんなに苦労しませんよwww
頭髪は、高密度で太くて毛根が意外に深いから、大変でした
また、ページの末尾にはこのように記載されていました。
非常に強力な30J〜60Jでおこなっています。II 度熱傷の治療に詳しくない医師は、絶対に真似しないで下さい
さらにその後、「その後、、、 H25年11月脱毛完了につき」とのことで、日焼けマシンを使って「二昔前のガングロギャルか」とばかりに頭部を黒々と焼いたときの写真も見つかりました(→焼いた頭の写真)。
●頭髪以外を全脱毛した人のケース
一方、頭髪・眉・睫以外のすべての体毛(すなわち首から下のすべての体毛と、頭部ではヒゲも)を、陰毛を含めて完全に脱毛してしまった人の体験記もあります:
これによると、それだけの脱毛をするのに今は50万円以上かかるということと、ヒゲの脱毛にはそれなりの痛みを伴うということが書かれています。頭髪の場合の痛みはそれ以上でしょう。清水医師の場合も、通常の痛み止めの中では最強の部類に入るロキソニン錠、おそらくは医療用の60mg錠のほうでしょう、それを2錠も飲んだとあります。
●まとめ:覚悟が必要です
というわけで、もし本当に清水医師のように頭髪を永久脱毛するとしたら、「いちど開始したら、もう後戻りができない」という覚悟とともに、痛みについての覚悟も必要になってくるでしょう。もちろん費用についても、いろいろ時間がかかることとダメージの際の善後策とを考えると、最低でも100万円から200万円くらいは覚悟しないといけないでしょう。
それらの点を含めて、本当にそれでいいのかどうかをもう一度よく考え直して、それから再度、決断を下してください。往くにしても撤退するにしても、どちらにしてもそれは、あなた本人にしかできない究極の人生選択です。
そして、もし本当の本当に頭髪永久脱毛の満願成就となりました際には、ぜひともその一部始終を手記として公刊していただきたいと思います。弊社宛におたよりをいただいても、何かしらのお力添えはできるかと思います。