※このページは、「雑学」カテゴリーに1つだけぽつーんと置いてあった記事を移転したものです。
丸刈りの世界で「五厘」というと、皆さんはどんなスタイルを思い浮かべるでしょうか。
たぶん、炎天下の高校野球部員のように清々しく、いかにも青々としていて、ジョリジョリという感触がたまらない、誰から見てもキモチイイ、そういうスタイルを思い浮かべる人が一般的ではないでしょうか。
でも実は、「五厘」は「いちばん短い坊主」ではないのです。
定義に戻って考えてみましょう。「厘」とは何でしょうか。
…「九分九厘(くぶくりん)」という言葉があるとおり、「厘」は「分」の10分の1です。
では、「分(ぶ)」とは。これは割合を表現する以外に、長さの単位として使うこともあります。その場合、1分は1寸の10分の1です。
「寸」まで来ればもうわかりますね。1寸は約3.3cmです。ここから計算してみましょう。
1分は1/10寸ですから、3.3mmです。たとえば「五分刈り」といえば15mmくらいのことで、まだ丸刈りの範囲内とも、ここまでくれば女性でも世間が許してくれるギリギリのベリーショートとも、どちらともいえる長さです。あるいは地域によっては、3mmくらいの丸刈りのことを「一分刈り」と呼んだりもします。
(ちなみに、私のPCに「いちぶがり」と打ち込んでも、一発では「一分刈り」が出てきませんでした。「五分刈り」は一発でヒットします。)
そして、1厘は1/10分なのでした。ということは、「五厘」とは本来、3.3mm × 5/10 = 1.6mm くらいの長さを指す言葉だったのです!
…でも、この長さではあんまり青々とはしませんし、ジョリジョリどころかサラサラといったほうが的確です。普段から0mmに剃髪している人の場合、この長さになるまで毎日の剃髪をサボってしまったら、
カミソリで剃る前に
バリカンかけなきゃ…
(´・ω・`)
さて、私のバリカンでは0.5mmまで刈ることができます。ここまで短くすると刈りムラができるので、完全に均一な0.5mmにはならないのですが、それでも公称2厘といったところでしょうか。
…でも、理容室に行って「1厘」「2厘」と注文しても、たぶん通じません。そのほかにも「◯分刈り」「◯枚刈り」といった、それぞれの地域特有の言い方があります。丸刈りの長さで失敗しないためには、絶対に地域差のない「ミリメートル」で長さを指定するのが確実でしょう。
(2016.12.06追記)
こんなブログ記事をみつけました。こちらに「〜分」「〜枚」についての詳しい解説があります。
なんと、「一分=3mm」は定義通りなのに対して、理容室の世界では「五分=9mm」という理不尽が残っているのです。なのでやはり、ミリメートルで指定するのが確実です。
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