★はじめに★
現在の中学・高校では、生徒の髪型としてツーブロック(隠し刈り上げ)を禁止しているところが少なからずあります。これは個人的には極めてクダラナイ、ナンセンスなルールだと思うのですが、一度その学校に入ってしまってからでは、ツーブロック禁止ルール廃止の団体交渉をするのも、納得できないからといって別の学校に入り直すのも、並大抵のことではありません。
そこで今回は、
- 頭髪検査等でツーブロックを咎められたけど、罰として坊主になるのは嫌だ、という場合の対応方法
- あるいは、逆にツーブロ禁止だけど丸刈りが禁止でない場合に、坊主挑戦への足掛かりとして超ショートスタイルに挑戦したい場合の手順
目 次
1. 私が実際に対応した事例
●この方に紹介した施術例
●他にはこのあたり
2. ツーブロ禁止なんてナンセンス!
●ハイレベルな高校を目指すべし
3. 逆に、徐々に短くしていって丸坊主を目指したい場合には
★私が実際に対応した事例★
ある日、Yahoo!知恵袋を見ていると、下記のような書き出しで始まる質問がありました。
高2女子です。
先日、髪の毛が伸びてきて鬱陶しかったし、再来週に沖縄へ修学旅行へ行くので、こんなモサモサ髪はいやだと思い、髪を切りに行きました。
(以下略)
いわく、「ちょっとだけ刈り上げる」とだけしか説明されずに、そのままツーブロックに仕上げられてしまって、学校で咎められたとのことです。
こういう美容師に対しては、「世の中の中学・高校ではツーブロック禁止というクダラナイ校則のあるところが多々ある、ということくらい常識として知っとけっつーの!」、と説教したくもなるんですが、世の中の美容室は必ずしもそういう体制になっていない、ということは利用者も予め知っておく必要があります。
隠し刈り上げの刈り高さは5〜6mm程度とのことだったので、それならばメンズ風の耳出しショートで何も問題ないはずだ、と考えて、実例を探してみました。
●この方に紹介した施術例
まずは手始めに施術例の画像検索です。Google画像検索「刈り上げショート メンズ -ツーブロック」で出てくる事例の中から、質問者さんが女性ということで、女性でも変ではない事例をさがします。
その結果、下記の2例をご紹介することにしました。(その他にもう一つご紹介したのですが、リンク切れになっているので省きます。)
- 刈り上げベリーショート|MEN'S HAIR PERCUT 下北沢南口店(メンズヘアーパーカット)のヘアスタイル|美容院・美容室を予約するなら楽天ビューティ
- 高円寺 美容室 -menos (メノス)
<
こちらのサイトでは、残念ながら個別の施術例への固定リンクはないので、お手数ですがページをめくって、14 Mar 2016 という日付で掲載されているカット例を参照してください。
ただし、各写真のURLはyyyymmddnn.JPG
という形式で固定(yyyymmdd
は記事の年月日、nn
は01からの連番)なので、読者の便宜のためにここで直リンクしてしまいます。
こういうカットにしておけば、わざわざ丸刈りにまでしなくても何も問題ないはずです。というか、1980年代には上記の2つめのような刈り上げショートスタイルが流行の最先端だったんですね(たとえば荻野目洋子さん)。いま50代以上の女性でショートヘアにしている人が揃いも揃って耳出しで軽く刈り上げている(バリカンなしでハサミのみでカット、刈り上げ部分全露出の、最近の言葉でいうところの「グラデーション刈り上げ」)のは、この時代の影響ではないかと推測しています。
●他にはこのあたり
上記の知恵袋への回答では、1回の投稿で貼れるURLは3つまでという制限があるのでいろいろと省いたのですが、下記のような施術例もあります。
(なお、Insagram に美容師さんが掲載しているサンプルでは色を染めていますが、当然ながらこういう学校の生徒さんの場合はカラーリングは厳禁です。このカットにして、でもカラーは入れないで、と注文してください。)
- KLAPPER HairさんはInstagramを利用しています:「コメローック コメちゃん、ちゃーんとヘアースタイルに合う服を、買ってこらした エライエライ」
- 倉田 聡子さんはInstagramを利用しています:「髪の毛いい色って褒められる」
- Hair Angel Jr. Vol.5 涼花/17歳
- 秦万里子|ワタナベエンターテインメント(→【ブログのようなもの §0007】)
★ツーブロ禁止なんてナンセンス!★
さて最近になって、美容師さんのこんなブログを見つけました。
最大の問題点は担当した【先生】と【生徒】の2人が“理由をわかっていなかった“というところ。
理由もわからず禁止し、理由もわからず禁止される。
これを茶番と言わずに何を茶番と言えばいいのか。
変な校則にはワケのわからなものが多々ありますが、この「ツーブロック禁止」もその最たるものでしょう。あえて本音をさぐれば、年寄りども(概ね50代以上)の目線から見てイカツイから、というだけで、今の世代の感覚についていけていないからでしょう。
●ハイレベルな高校を目指すべし
さて、髪型に限らず何についてもいえることですが、校則でがんじがらめになるのが嫌なら、勉強を頑張ってハイレベルな学校に行くのがいちばんです。ハイレベルな学校の場合、生徒もしっかりしていて、先生方も生徒たちをそれなりに信頼していますので、あまり細かいことはうるさく言われませんし、何か問題になれば話し合いに応じてくれる可能性が大です。
逆に、卒業生の大半が就職か専門学校進学で、一握りの特進クラスが私立大学を目指す、というレベルの学校の場合、往々にして、「求人票を出してくれるお企業さま」「指定校推薦を出してくれるお大学さま」に忖度、忖度、ご忖度していて、学校というよりはもはや社畜生産工場と化しています。
もちろん、ハイレベルな学校でも厳しいところはありますし(例えばキリスト教系の女子校)、逆にハイレベルではないけれどユルユルのところ(たとえば通信制・単位制のところなど)はありますので、少なくとも進学の1年前から、実際に文化祭を見に行くなどして在学生にコンタクトを取って、校内の雰囲気を確認しておくべきでしょう。
ちなみに、私の出身は私立の中高一貫進学校ですが、そこには「頭髪検査」なんていうクダラナイものはありませんでした。剃髪道の活動をするようになって初めて、世の中の学校にはそういうものがあるんだ、ということを知りました。
もちろん頭髪検査のみならず、「服装検査」「所持品検査」もありませんでした。とはいっても何もなかったわけではなく、服装については、たまに朝礼で生徒指導部のセンセイが簡単なお説教をしたり、あるいは、特に目に余る生徒に対して個別の先生が個別の生徒に注意する、という程度のことはありました。
所持品については、クラス全員を対象にした検査こそ一切ないものの、トランプや将棋盤、携帯型ゲーム機など(当時だと「ゲームボーイ」あたり)で遊んでいるところを見つかったらその日の放課後まで職員室で預かり、という不文律もありました。
★逆に、徐々に短くしていって丸坊主を目指したい場合には★
逆に、最終的には丸刈りや剃髪に挑戦したいけど、イキナリそこに直行するのは勇気が要るので徐々に短くしていきたい、という場合に、上記のようなスタイルを経由する手もあります。そういう場合の基本的な流れについてはだいぶ昔、【最後のステップ、ショートカットに!】に書いていますが、こちらの施術例はその場合の候補として大いに参考になることでしょう。
ではでは。今日はこんなところで。
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