Q0005.
英語では、丸坊主・丸刈り・ハゲ・スキンヘッドはそれぞれどう表現するのでしょうか?
A0005.
まず最初に、「skinhead」という単語だけはなるべく避けましょう。この言葉は欧米では、ネオナチに代表されるような右翼の過激派という意味で使われることが頻繁にあります。(→【「スキンヘッド」というコトバについて】、Wikipedia「スキンヘッド」)
では実際にどういう言葉を使うのかというと、主に次のようなフレーズを使うようです:
- 「Bald」
この単語ひとつで、丸刈り・剃髪・ハゲの3つすべてをカバーします。「bold」と音が似ていることから、「boldly bald」といった掛け言葉がよく使われます。
- 「Shaved head」
実はこの単語は英語圏では、「カミソリで剃った頭」と「バリカンで丸刈りにした頭」の両方の意味をカバーします。カミソリやバリカンで頭を剃る・刈る作業のことは「headshave」と1語で表します。
- 「Clippershave」
これは「バリカンで丸刈りにする」という意味です。なぜか1語につなげて表記することが多いようです。
なお、そのバリカンそのものを言うときは「clippers」と複数形になるのが正しいので注意してください。これは、バリカンもハサミ《scissors》と同様に、2枚の刃の間に入った髪を挟み込んで切る仕組みになっているからです。
- 「Razor shave」
こちらはカミソリで完全に剃るという意味です。こちらは「clippershave」と違って必ず2語に分けて使います。
欧米のキリスト教圏では仏教的な剃髪文化になじみが薄いせいか、丸刈りも剃髪もあまり区別せずに「headshave」あるいは「shaved head」と十把一絡げにされることが多いのですが、カミソリで剃ったことを特に明記したい場合は上記のように「razor」という単語を使ったり、「clean」「smooth」「to the skin」といった単語を付け足したりすることが多いようです。
- 「Buzzcut」
これもバリカンで刈った丸刈りという意味ですが、こちらのほうが「clippershave」よりはいくぶん長めの丸刈りというニュアンスがあります。というのも、「shave」という響きからは「バリカンで刈れるだけ根こそぎ刈り落とす」というニュアンスが漂ってくるのに対して、「buzz」はバリカンの動作音を表した擬音語なので(虫が羽をブンブンと鳴らしている様子にも同じ「buzz」を使います)、とにかく頭全体をバリカンで均一な長さに刈りさえすれば、12mmくらいの長めの丸刈りでも「buzzcut」の範囲には入ってしまうのです。
- 「Pixie」
これは「buzzcutとまではいかない超短髪」の意味です。日本でいうところの「おしゃれ坊主」などは英語圏ではこちらのカテゴリーに入るはずです。
以上、YouTubeなどでよく見かけるキーワードはこのくらいですが、もしそれ以外の面白い表現をご存じでしたら、おたよりをいただければ幸いです。